病院における高齢者看護のポイント

高齢者は症状が出にくいため、悪化するまで気づかないケースが多い傾向にあります。そのため、看護師は、日常の些細な変化でも気にかける意識を持っておくことが大切です。
また、転倒のリスクもかなり高いということを常に念頭に入れておきましょう。
医療ケアや治療の説明は、家族も含めてしっかりと行うことが大事です。耳が遠くなっている高齢者も多いので、大きく低い声でゆっくり話しかけるようにしましょう。目線を合わせながら、要点をまとめて簡潔に説明します。
コミュニケーションを取る際、相手の言動をむやみに否定しない姿勢も大切です。協力的な態度を取ることで相手を安心させ、精神的な不安を取りのぞき、信頼関係を築くことができます。

高齢者の中には、入院生活が長くなる方もいます。看護師の仕事として医療に関すること以外に、日常の生活のサポートといった介護的な役割はもちろん、相手の尊厳を守るということを忘れてはいけません。特に排泄行為といったデリケートな介助の際は注意が必要です。
たとえ認知症の高齢者であっても、人生の先輩という意識を持ち、「自分がケアされる立場だったらどうするか?」と問いかけながら介助することが大切です。

入院中の高齢者は、病院で亡くなる方も多いです。家族を含め、より良い環境で旅立ちをサポートすることも、看護師の重要な役割です。

このように、高齢者への看護は多方面にわたっているため、一人で抱え込まず、チームで助け合いながら取り組む必要があります。一つ一つ真摯な態度で行っていけば、人生の先輩から多くの学ぶことも多いため、看護師としてモチベーションのアップにつながります。